明るい心を取り戻すハーブ【セントジョンズワート】

その他

メディカルハーブ検定の勉強まとめ

医学の祖ヒポクラテスが治療に使用したという記録が残されているハーブ

精神疾患や切り傷などの治療に利用されてきた
抗うつ作用があり心に明るさを取り戻してくれることからサンシャインサプリメントと呼ばれている

また、悪魔が嫌う香りとして魔よけの草としても古くから利用されている

セントジョンズワートを直訳すると聖ヨハネの草
聖ヨハネとはイエスキリストの洗礼者のこと

基本情報


学名

Hypericum perforatum

和名

セイヨウオトギリソウ

科目

オトギリソウ科

使用部

開花時の地上部

主要成分
  • ヒぺリシン
  • フラボノイド配糖体(ヒペロシド、ルチン)
  • ハイパーフォリン
  • タンニン
  • 精油
作用・適応

作用

  • 抗うつ、消炎、鎮痙

適応

  • 軽度~中等度のうつ、月経前症候群(PMS)、創傷
その他

夏至の日(聖ヨハネの日)に収穫するともっとも治癒力が強いといわれている

暗く落ち込んだ心に明るさを取り戻すことから「サンシャインサプリメント」と呼ばれている

季節性感情障害や更年期の抑うつなどに活用されている

併用に注意が必要な医薬品
インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワルファリン(血液凝固防止薬)、経口避妊薬※薬物代謝酵素を誘導するため、2000年5月10日、厚生省(当時)はセントジョンズワート含有食品と医薬品との併用に関する注意を促す発表を行った
参考メディカルハーブ検定テキスト 公式テキスト

薬物代謝酵素が誘導されると薬物に対する代謝が促進され、薬理効果を弱めてしまう

 

Hypericum 荒地に生える
perforatum 穴の開いた

名前の由来については諸説あり、ひとつは聖ヨハネの誕生日である夏至付近に開花することからである

すりつぶすと出てくる赤い液体は斬首された聖ヨハネの血だと言われた

(新約聖書によると)
聖ヨハネは領主ヘロデの結婚に反対し牢に入れられてしまう
ヘロデの誕生日に結婚相手の娘がダンスを踊りヘロデを大変喜ばせた
ヘロデは褒美として欲しいものを何でもやると娘に約束する
娘は母にそそのかされて「ヨハネの首を盆に載せて、ここへ持ってきてください」と要求した
ヨハネは首をはねられ、その首は盆に載せて娘へ運ばれ、娘はそれを母へと持って行った
首をはねられた血だまりからセントジョンズワートが咲いた、血を浴びた草に不思議な力が宿ったなどとも言われている
ヒぺリシン
色素成分、抗うつ作用

フラボノイド配糖体(ヒペロシド、ルチン)
フラボノイドと糖が結合した化合物
ヒペロシドはセロトニンを増やす、睡眠の質向上、ストレス低減
ルチンは毛細血管の働きの安定・強化、血流改善、抗炎症作用

ハイパーフォリン
抑うつ作用

タンニン
ポリフェノールの一種、抗酸化作用、渋み成分、タンパク質を固める、抗菌効果

まとめ

昔から、うつ症状、月経困難時、傷や打撲など幅広く活用され、伝説や言い伝えが数多く残る歴史あるハーブ

ぐっすり眠りたい時や気分が落ち込んだ時にハーブティーを飲むと心が明るくなる
季節の変わり目などに気分が落ち込みやすい人は利用してみるとよい

日本では食品として誰でも手軽に手に入れることができるが、併用に注意が必要な医薬品があるため薬を持続的に服用している薬がある場合には避けるのが無難

タンニンによるタンパク質の凝集作用があるため傷の治療にも利用できる
その際はセントジョンズワートで作った軟膏などを塗るのがよい

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