女性の身体に月に1度やってくる生理(月経)。
生理中からその前後まで心や体に様々な変化や不調が起こります。
感情のコントロールができなくなって
自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
生理によって私たちの身体にはいったい何が起こっているのでしょうか。
生理を正しく理解して正しく向き合うための基本情報をまとめてみました。
生理(月経)とは
そもそも何が起こっている?何のため?
生理は妊娠のための準備。
生理周期に合わせて、受精卵が着床するために子宮内膜が厚くなります。
着床がない場合は厚く成熟した子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外へ排出されます。
これが生理です。
詳しく
■女性は生まれた時から卵子の元となる「原子卵胞」を卵巣の中に持っています。
思春期を迎えると「卵胞刺激ホルモン」が分泌されるようになり、
持っている原子卵胞のうちの1つが成熟卵胞へと育ちます。
■成熟卵胞が育つと「黄体形成ホルモン」が分泌されます。
そうすると成熟卵胞の中にいた卵子が卵巣の外に排出されます。
これを「排卵」と言います。
■排卵後に残った卵胞は黄体形成ホルモンの影響で「黄体」となり、
「エストロゲン」と「プロゲステロン」などの女性ホルモンを分泌させます。
■生理はエストロゲンとプロゲステロンという
女性ホルモンの分泌のバランスによって調整されています。
この分泌のバランスが乱れると生理周期が乱れる原因となります。
■エストロゲンの作用により子宮内膜が厚くなり、
排卵が起こった後にプロゲステロンが増加して
子宮内膜を着床に適した状況へと成熟させます。
■排卵された卵子は卵管で精子がくるのを待ちます。
子宮は約2週間受精卵を待ちます。
■着床がない場合はエストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に低下し、
不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて体外へと排出され生理(月経)となります。
そしてまた次の準備に入ります。
生理に伴う心と体の変化
生理には様々なホルモンが関わっており、
そのホルモンバランスの変化は心と体に影響を与えます。
生理周期は4つの時期に分けえて考えられます。
卵胞期(低温期) ~ポジティブ~
生理が終わってから次の排卵までのエストロゲンが多い時期を「卵胞期」と言います。
ポジティブで前向きな時期です。
エストロゲンの影響で気持ちは前向きで元気です。
代謝もよくなり、肌や髪も調子がよくなります。
ダイエットにも適した時期です。
排卵期(高温期) ~不安定~
だんだんと不安定になっていきます。
ホルモンバランスの変化により
気持ちのバランスも不安定になり感情の起伏が激しくなります。
エストロゲンの分泌が少なくなってきて肌や髪の調子も不安定になります。
基礎体温が上昇していきます。
黄体期(高温期) ~イライラ~
排卵後から次の生理が始まるまでのプロゲステロンが多い時期を「黄体期」と言います。
プロゲステロンの影響で
落ち込みやすくイライラしやすくなります。
心身に不調が出やすい時期です。
眠くなる、肌荒れ、頭痛、便秘、太りやすい、
不安になる、やる気が出ない、疲れやすいなどの症状があります。
体温が高くなります。
生理 ~どんより不調~
不調が続きます。
どんよりと落ち込みがちです。
生理痛や疲れが出やすい時期です。貧血になる人も。
生理が終わりに近づくと回復していきます。
月経前症候群(PMS)、生理痛
生理にまつわる不調で月経前症候群(PMS)と生理痛があげられます。
月経前症候群(PMS)
生理の3日~10日前くらいから起こる様々な不調を
月経前症候群(PMS)と言い、ホルモンバランスによって起こると言われています。
特に、黄体期にはエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下します。
そのことによって心身は多くの影響を受け様々な症状を発症します。
生理痛
プロスタグラジンというホルモンの過剰分泌が原因で起こります。
プロスタグラジンは不要になった子宮内膜が剥がれ落ちた時に分泌され、
子宮を収縮させることによって血液とともに剥がれた子宮内膜を体外へ排出させます。
しかし、分泌量が多いと必要以上に子宮を収縮させることになり痛みが発生します。
プロスタグラジンは冷えて血行が悪くなると分泌量が増加します。
まとめ
生理とは使用しなかった子宮内膜を体外へ排出するもので、
4つの時期がありホルモンのバランスが変化します。
そのホルモンバランスの変化が女性の心や体に影響を与えています。
眠気やだるさ、気分の落ち込みで思うように物事が進まなくなると、
できない自分を責めてしまうことがあります。
また、感情の起伏が激しくなってしまうことに不安を感じることもあるかもしれません。
しかし、今はそういう時期なんだと理解すれば少しは納得できるのではないでしょうか。
自分の体に起こることを受け入れて上手に付き合っていくことで
体や心への負担を軽くしていきましょう。